オススメ! 植栽図鑑

「シンボルツリー」

”序章 はじめに”では植栽選びの基本の部分をおおまかに書きました。
ここからは植栽を選ぶポイントとオススメの植栽を目的別にまとめていきたいと思います。
なお、ここでオススメされる木については弊社の職人さんに監修してもらっているので
岡山県南部の気候に沿った情報になっており、書籍やインターネットとの情報とに差異がある
こともありますのでご了承下さい。

第1章は【シンボルツリー】
シンボルツリー。シンボルです。概念としてのシンボル、象徴です。お庭の象徴となる木です。
ネットで調べると、お家のシンボルとなるよう大きな樹木のこと、建物を引き立てる存在感のある
樹木のこと、等と書かれています。ちょっと漠然としていますね・・・

では他の国ではどうなのでしょう?試しに”Symbol Tree”で画像検索してみました。
すると検索結果は木の形をデザインに仕様した「シンボルマーク」ばかり。
日本では記念樹として植えられることもあるシンボルツリー。そこで次は”Memorial Tree”
と検索してみました。すると、公園などに植えられたプレートを添えられた木の画像が出て
きました。”Memorial Gift Tree”にすると、可愛くラッピングされた鉢植えの木の画像が
出てきました。いずれにせよ、一般住宅のエントランス脇や家屋の近くに植えられた木の画像は
出てきません。

私個人の勝手な思い込みで申し訳ないのですが、外国から来た文化だと思っていました。
書籍で調べてみましょう。
1998年発行『建築知識1998年5月号[別冊]緑のデザイン図鑑』(株式会社エクスナレッジ発行)
にはシンボルツリーという言葉は出てきません。植栽計画のメインとなる木を主木と明記している
のがそれに近いかなという感じです。しかし2009年に発行された『新・緑のデザイン図鑑』には
シンボルツリーという言葉が出てきました。どうやらこの間に広まった模様…。
しかし、シンボルツリーの成り立ちについては表記がありませんでした。
日本でどういう風に広まってどう定着していったのか、そもそも定義は何なのか。
謎は解けませんでしたが、2017年現在、ここ日本の住宅外構において定番の要素になっている
ことは確かです。漠然としたままですがこのままいきましょう。

なぜ定番になったのか。それはやはりシンボルツリーの使い勝手の良さです。
植える場所は、建物の顔である玄関脇やアプローチ付近に植えるパターンと、
リビングから見える主庭に植えられるパターンが多いです。

土とコンクリート構造物だけの庭に、姿形のいい木を1本植えるだけで不思議と
建物全体の印象がよくなるのです。窓から緑も見えます。木が1本なので水やりや
剪定にもそれほど手間はかかりません。家族の成長と共に木も成長し、家族の
思い出を刻みます。落葉樹だと花や実、若葉や紅葉で季節感をもたらします。
常緑だと植える場所によっては目隠しとしても機能します。もちろん花や実を楽しめる
常緑樹もあります。たった1本の木で満たせる条件がこんなに多いのです。

今の時代、核家族・共働きが当然になってきており、庭にかけられる時間もお金も
グッと減ってきています。そんな限られた環境でも緑を十分に感じることができる
シンボルツリーという文化が定着するのは自然な流れだったのでしょう。
もちろん、植栽が多い庭でも植栽の主役になるシンボルツリーがあることで植栽と建物が
一体化し建物全体の印象がよくなるのです(この場合主木とも言います)。

このように、シンボルツリーの持つイメージが建物の印象を大きく左右するのです。
その為シンボルツリーには家屋の存在感に負けないような背が高く樹形が美しい、
寿命の長い木が選ばれます。

では、実際どういった木がシンボルツリーに向いているの?
まず、植える環境に合っていることが一番です。それに関しては序章をお読み下さい。

次に、木の大きさですがだいたい3〜4mくらいだと存在感もあるし管理しやすいです。
職人さんたちは剪定をするのに三脚の脚立を使われるのですが、三脚の背が高くなるに伴い
三脚の脚を広げる為に必要なスペースも大きくなっていきます。その為、その敷地で使用できる
三脚の高さに合わせて樹高をキープできることがポイントかなと思います。
(自宅に適した樹高が知りたい場合は弊社にお問い合わせ下さい。)
なので数ヶ月で一気にグーン!と何メートルも大きくなるような木(ユーカリやケヤキなど)や、
樹高を抑えるのが難しい木(クスノキや一部のコニファーなど)は一般的な住宅にはあまり
オススメできません。
ちなみに13尺の三脚で4mくらいまでの木が剪定できますが、そこまで高くなると剪定作業が
危険になるので剪定はプロに依頼して下さい。自分で剪定したい場合は前述の通り3mくらいに
抑えた方がよいです。

じゃあどれくらいの木を植えたらよいのか、です。
1mくらいの苗から植えて家族と一緒に成長していくパターンと、ある程度2mくらいまで
成長した木を植えて最初から完成に近い状態を作り上げてしまうパターンとがあります。
成長の遅い木などは2mの樹高のものが手に入りにくく、小さいものからスタートになることも
ありますが、だいたい2m くらいからスタートされるお客様が多いです。

次に見た目です。
樹形には”単幹”と”株立ち”とがあります。
単幹は1本の幹でドーンと立っている木です。
株立ちは同じ根から複数本の幹が立っている木です。
単幹はずっしりとした安定感があります。
株立ち樹形は1本の幹は細いものが多く、葉や幹が風にそよそよと揺れる姿が爽やかです。
(株立ち樹形も環境と管理次第ではドーンと安定感のある大木になります)
また、雑木の雰囲気を出すのには株立ち樹形が向いています。
シンボルツリーで今人気なのは株立ち樹形です。
しかし単幹の木も、家族を見守ってくれる感じがあって私は好きです。
あと枝張りですが、縦方向に成長する木と枝が横に広がる木とがあります。
玄関やアプローチなど人の出入りの多い所に植える場合は縦伸びする木の方が向いています。
横に広がる枝張りの大きな木は主庭の広い場所に植えたほうが良いです。
苗の時はシュっとしていても成長すると大きく広がる木もあるので買う前に一度成長後の
枝張りを調べておくとよいです。

次に、「常緑樹」か「落葉樹」かです。
2つの違いは葉の落ち方です。どちらも古くなった葉は落として新しい葉に更新するのですが、
春夏秋冬、1年を通して常に青々と葉っぱが茂っている状態を保つように新しい葉を出しつつも
古い葉を少しずつ落葉するのが常緑樹。イメージとしては体毛みたいな感じです。葉の更新方法や
時期は樹種によって様々です。葉の寿命自体が長いもの、新しい葉が出揃ったら古い葉を一斉に
落とすもの、新しい葉が出る時期に少しずつ落葉するものなどがあります。

落葉樹は「陽射しが弱いわ日照時間少ないわ、これじゃエネルギーを作る為の光合成の効率が
悪くなるじゃないの。その上寒くて乾燥してるとか、葉を維持しようと思ったらせっかく夏に
作ったエネルギーを葉に回さないといけないじゃない。ありえないわ。」ということで冬には潔く
葉を落として休眠(冬眠?)する事を選んだ樹です。その為冬は樹幹だけになります。
暖かい春になると芽吹いて夏には葉が生い茂り、秋になったら紅葉して落葉し、冬にはまた
樹幹だけになり休眠します。そのかわり、大切に貯蓄したエネルギーは子孫を残す為の花や実に
盛大に使われることが多いです。

以上のことから、常緑樹=一年中葉が生い茂り樹姿をキープする
落葉樹=葉があるのは春〜秋まで、一年の間で樹姿が季節に合わせて変化する
ということが言えます

常緑樹だと目線の気になる玄関前や窓の前などに植えるとさりげない目隠しにもなります。
落葉樹だと冬は葉が落ちて寂しい気持ちになりますが、春の芽吹き、花の美しさ、夏の木漏れ日、
秋の実り紅葉落葉と、与えてくれる感動はなかなかのものです。

ここまで長くなりましたが、以上のことを踏まえまして岡山県南部でシンボルツリーに
オススメの木を常緑樹と落葉樹とで別々に分類表をまとめてみました。
しかし、長文になりすぎたので次のページでご紹介します\[^v^]/



― オススメ!! ―
植栽図鑑

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    はじめに
  ■第1章
    シンボルツリーとは
  ■第1章
    シンボルツリー紹介※準備中
  ■※ 準備中
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