第9回 失敗の原因 検討する時間が短いAの巻
2017.03.21  

《前回のおさらい》

外構(エクステリア)工事での失敗の最大の原因は、よく検討せず慌てて工事をしてしまうこと。

《本編》

では、入居日が迫ってから慌てて工事をすることがないように、いつ頃から外構(エクステリア)のことを考え始めればよいのでしょうか。 もっといえば、満足のいく外構(エクステリア)を作るためにはどの段階で検討を始めればベストなのでしょうか。

「早ければ早いほどいい」

と考えがちですが、実はそうではありません。

家の間取りや玄関の位置も分からないまま外構(エクステリア)のことを考え始めても、まったく具体的な内容にならないからです。

私が考える一番理想的なタイミングは“家のプランと資金計画がある程度固まった段階”です。

ある程度というのは、住宅ローンの契約を締結する前です。

これには、2つ理由があります。

まず、1つめが“工事そのものに無駄がなくなる”という点です。

例えば、新築直後の家をご覧になった方はご存知かもしれませんが、家の周りにプラスチックの筒が地面からピョコっと覗いているのが見えます。

これらは汚水桝や雨水桝と言って、家で使った汚水や雨水を流す役割があり、外構(エクステリア)工事に密接に関係してきます。

場合によっては、それらが邪魔で外構(エクステリア)の計画を変更せざるを得ないという状況もよくあります。

もちろん、外構(エクステリア)工事である程度は移動したり高さを調整したりできますが、場合によっては数万円〜数十万円もの費用が掛かることもあります。

しかし、外構(エクステリア)のプランが事前に分かっていれば、汚水桝や雨水桝、量水器などを最初から適切な位置に設置できます。

こうすることで、無駄な出費を防ぐことができますし、仕上がりも格段に綺麗になります。

また、時たま家の内と外で一体感を持たせるために、玄関のタイルと外構(エクステリア)のタイルを統一したいと考えられるお客様がおられます。

タイルであればまだよいのですが、石や他の素材にしたいとなった場合、材料の厚みが違うので家の設計通りに工事をすると玄関ドアにぶつかって開かなくなってしまうということになりかねません。

しかし、こういったことも最初から計画に入れておけば問題なく綺麗に仕上げることができます。

さらには、外構(エクステリア)のプランを考えるうちに、

「ここの窓はもう少し大きくすればよかった・・・・」

「カーポートを置いたら日当たりが悪くなった・・・・」

「リビングが道路から丸見え・・・・」

などと、家のプランも練り直したいとお考えになることもあるかもしれません。

そういった、外との一体感を図る上でも家と外構(エクステリア)を平行して考える時間が必要ですし、最終的な予算もより正確に計ることが可能になります。



― 失敗しないための ―
外構(エクステリア)講座

  ■第1回
昔の外構(エクステリア)と
今の外構(エクステリア)の巻
  ■第2回
外構(エクステリア)
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  ■第3回
外構(エクステリア)
の情報不足の原因の巻
  ■第4回
外構(エクステリア)
とは何かの巻
  ■第5回
外構(エクステリア)
と車の違い@の巻
  ■第6回
外構(エクステリア)
と車の違いAの巻
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と車の違いBの巻
  ■第8回
失敗の原因
検討する時間が短い@の巻
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お互いの理解と信頼の先にはの巻