《前回のおさらい》
外構(エクステリア)の工事にも計画性が必要。
外構(エクステリア)についての情報が少ない。
《本編》
外構(エクステリア)についての情報がなぜ少ないのでしょうか?
その疑問にお答えする前に、まず“外構(エクステリア)”についてもっと知ってもらいたいと思います。
まず、“インテリア”という言葉を聞いたことがあると思います。英語で内面を意味しますが、それが転じて、日本語で室内装飾品という意味になりました。 しかし、大半の方が“装飾品で飾られた室内空間”というもっと広い意味で捉えているはずです。
第1回で昔と今の外構(エクステリア)の違いについて説明した通り、最近では外構(エクステリア)と聞くと、ほとんどの方がデザイン性のある外観をイメージします。 そのため、装飾品で飾られた室内空間をインテリアと呼ぶのに対して、“デザイン性のある室外空間(家の外側)”を“エクステリア”と呼ぶようになりました。
つまり、家の外側すべてが外構(エクステリア)なのです。
初めて来店されるお客様に、
「カーポートはできますか?」
「照明工事は?」
「物置も欲しいですけど、できますか?」
といったことを尋ねられます。
もちろん
「すべてできます。」
とお答えするのですが、その度に外構(エクステリア)工事がまだ一般的ではないし、お客様の元へ情報が届いていないのだと痛感しています。
外構(エクステリア)工事は、家を建てたときに必ず必要な工事です。
にもかかわらず、外構(エクステリア)をお考えのお客様でさえ“どこに何を頼んでいいのかわからない”状況にある方が大勢いらっしゃいます。
それは、外構(エクステリア)の情報が不足しているからです。
外構(エクステリア)の情報が少ない理由ですが、
まず、第一に外構(エクステリア)会社の大多数が住宅メーカーや工務店などの下請け会社であることが挙げられます。 これは私の立場上多くは語れないのですが、多くの外構(エクステリア)会社が、下請け工事(住宅メーカーや工務店などからお仕事をもらっている)をしているなかでは、自由に発言できない場合も多々あります。
次に、外構(エクステリア)のトータルプロデュースができる会社が少ないという点です。 外構(エクステリア)会社といってもすべての会社が設計から工事までを請け負うわけではありません。 それぞれの会社が専門分野を持っていてブロックは得意だけど植栽は苦手ということはよくあります。 そもそもデザインは全く行わず、工事のみを専門とする会社も多いです。
設計から工事までをトータルプロデュースするには、会社の従業員がおそらく20人程度は必要となります。 これは、高価な3Dの図面を書く専門のソフトや営業マンやデザイナーの経費を確保・維持するには、ある程度安定した仕事の量が必要だからです。
また、情報発信が苦手な会社も多いというのも問題です。 ホームページを作成するためにプロを雇う外構(エクステリア)会社もありますが、多くの会社がそこまで手が回らないのが現状です。 5人や10人で毎日遅くまで働いて会社を維持しているので、ホームページの作成や更新にまで時間を使えません。 ましてやプロを雇う余裕のある会社なんて特別です。
さらには、雑誌などにも大々的に取り上げられることなど稀で、フリーペーパーなどの広告ページに掲載したり、新聞の折り込み広告などで情報を発信したりがほとんどです。 外構(エクステリア)業界に株式上場しているような大企業が存在しない以上、住宅メーカーのようなテレビCMや雑誌への広告掲載はあり得ません。
これらが、いま外構(エクステリア)の情報が不足している理由です。